進学ガイド
認可校かどうかを見極めよう
専門学校は大学や短大と同じく学校教育法上に定められた学校。専修学校というグループに所属する学校で、専門学校となるには、まず都道府県知事から専修学校として認可を受けることが必要です。そのうち高校卒業以上を入学対象にした専門課程をそなえた学校だけが、専門学校と名乗ることができる。そのため校名に専門学校とあれば、それだけで認可校だとわかる。ただし、認可校の中には専門学校と名乗っていない学校もある。進学先を選ぶ場合には認可校であるかどうかを確認しよう。


大学・短大との違い
大学・短大と専門学校の違いといえば、学校規模や入試内容に目が行きがちだが、いちばん重要な違いは教育内容。大学や短大がどちらかといえば学術的な内容を学ぶのに対して、専門学校では仕事と結びついた実践的な内容を学ぶ。大学や短大が専門科目のほかに、教養、語学、保健体育なども学ぶのに対して、専門学校は授業の8割近くが専門科目。学校のしくみも大学や短大に比べ、専門学校は学科のつくり直しが容易にできるので、社会の変化に応じた新学科をつくりやすくなっている。
専門学校は資格取得に有利
さまざまなケースがあるので、専門学校に入れば必ず資格が取得できるとはいえない。しかし、専門学校が資格取得の面でかなりの実績があることは間違いない。その理由として、もともと資格や検定自体が職務遂行能力を問うものが多く、専門学校の教育内容に近いということがある。さらに、資格取得を目的とした授業がカリキュラムに組み込まれているところが多いということもある。これらの授業では、長年資格受験対策にかかわってきた講師から、実践的な教育を受けることができる。
- 卒業と同時に取得できる国家資格
介護福祉士、保育士、第2種電気工事士、測量士補、栄養士、調理師など - 卒業後一定の実務経験を積むことによって取得できる国家資格
第2種、第3種電気主任技術者、測量士など - 卒業と同時に受験資格が得られる国家資格
建築士(2級、木造)、2級自動車整備士、看護師、臨床検査技師、歯科衛生士、理容師、美容師、製菓衛生士、はり・きゅう師、税理士など - 卒業すると国家試験の一部が免除になるもの
陸上特殊無線技士、基本情報技術者など - 卒業後一定の実務経験(インターン)を積むことによって受験資格を取得できる国家資格
1級建築士・2級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士、管理栄養士、社会福祉士など - 国家資格・検定受験のための教育が受けられるもの
公認会計士、国内・総合旅行業務取扱管理者、通訳案内士、応用情報技術者など
専修学校卒業者の進路
専修学校は、常に社会のニーズに応えうる教育内容をなによりも大切に考え、産業界と連携を図り、経済の発展と並行する形で成長してきました。職業教育機関として、即戦力となる人材を輩出してきた実績は、卒業生の高い就職率に結びついています。具体的に、専門学校(専門課程)の就職率を見てみます。 就職率は社会全体の景気や産業界の動向により、大きく変化しますが、専門学校は例年80%前後の高い就職率を示しており、さらに自分が学んだ専門的な学習と関連の深い分野へ、多くの就職をはたしています。また、専門学校(修業年限4年以上)、専門学校(修業年限2年以上)、高等専修学校(修業年限3年以上)の卒業生については、国家公務員の場合、人事院の初任給等に関する基準が適用され、それぞれ大学卒、短期大学卒、高等学校卒と同等に扱われ、民間においても同様の傾向にあります。
◆平成30年度3月卒業者の就職率
専門学校から大学への編入について
専門学校を卒業すると、大学の2年次または3年次に編入することができる。卒業後も学び続けたいという意欲が芽生えた場合にも、それをかなえるルートがちゃんと用意されている。編入ができるのは、(1)学ぶ期間が2年以上で、(2)総授業時数が1,700時間以上の学科の卒業者。編入学が2年次になるか3年次になるかは個々の大学が決める。平成13年度学校基本調査によると、専門学校から大学への編入学者の数は1,730人。編入学年は3年次が85.3%、2年次が14.7%となっている。
奨学金制度と進学ローンについて
専門学校では、他の教育機関にくらべてカリキュラムがハードなため、一般にアルバイトによる恒常的な学資の確保は難しいといえます。そのため専門学校で学ぶ場合、奨学金制度の意義は大きく、独立行政法人日本学生支援機構をはじめ、各都道府県、市区町村が実施しているもの、各専門学校が独自に行っているものなど、多くの奨学金制度が整備されています。
また、奨学金とは別に、一時的に低利で学資の融資を受けられる制度に進学ローンがあります。これは専門学校が独自に無利息で融資する場合と各金融機関が行っている場合とがあります。なかでも公的機関として日本政策金融公庫が扱っている「国の教育ローン」や郵貯貸付、独立行政法人雇用・能力開発機構の財形進学融資などは低利であり、多く利用されています。